2014年4月8日、カズトはローン延滞の件で「いなほ銀行・梅が屋敷支店」に行った。そして延滞理由がシステム障害であったとの説明が終わり、山田課長に子供の積立て預金の手続きをお願いした。
その手続き中、渉外1課の中田啓之氏に以下の内容を伝えた。
『父の知人の信用金庫から優遇金利での借り換えを勧め進められている。
月額で2万円程度安くなるようだ。みずほが、既存顧客の住宅金利は2.475%のままボッタくるなら、信用金庫に借り換える』と。
そのとき、以下の多数の苦情を伝えたが、明確な回答はなかった。
・みずほ銀行は「お客様第一」と宣言しているが、何かおかしくないか?
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1・既存顧客の住宅金利は2.475%なのに、新規の顧客は0.8%くらいである。15年以上つきあいのある客から高利でお金をむしりとって、新参顧客を優遇するのはおかしくないか?
2・これまではコンビニのATM手数料が無制限に無料であった。しかし、無料が4回までになって5回以上は有料に改悪された。新参顧客の住宅ローンを優遇する費用の穴埋めを、既存顧客に負担させ、新参顧客のため既存顧客が苦しめられている。
3・「新規お客様が第一、既存顧客はどうでもいい。釣った魚にエサはあげません」に、現在の「お客様第一」のWebサイトの説明を変更したらどうか?
森長官が文藝春秋でインタビューする2年以上前のできごとであった。
携帯電話会社のように、メガバンクも泥ぬまの「金利競争」に突入していった。
新規顧客の優遇金利で既存顧客の恨みを買い、信用が下落することがあきらかなのに、「いなほ銀行」のアホな経営陣はこんな商売の基本も分かっていなかった。
携帯電話と違い、老後破綻や新たな金融商品が登場している現在において、まだかろうじて信用のかけらが残っていたそのときこそ、銀行には既存顧客の信用を取り戻して復活する最後のチャンスが残っていた。
例えば、このとき土日営業を開始して「既存顧客」の声や悩みを聞き、相談にのるなどのサービスを強化すべきであった。少子高齢化社会で年金額が減少し続け、住宅ローンの金利が1%程度では、「老後破綻」を回避できるような状態ではない。
もし住宅ローンの金利が2.5%であっても、「老後破綻」を回避できるしっかりしたマネープランを受けることができるなら、顧客はそちらを選ぶ。
カズトはこの3年後に、信用金庫においてそのことを思い知った。そして、そのように一部の銀行を導いてくれた森長官に涙を流して大感謝する。
(投資マンションバトル編、最後)
目先の手数料稼ぎの顧客無視の金融商品販売や、銀行のヤミ金のようなカードローンによって、2018年までに、メガバンクへの信用は完全に崩壊した。
テレビ東京:WBS「急増!?銀行カードローン破産」
(その4へ続く)
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