アリ地獄の賃貸の林田が10月3日に「チャブ台返し」した。
当時、カズトは「保証家賃の減額に応じないので、契約書にしたがってサブリース契約を終了してください」と通達した。
それで終わりと思っていたら、林田が「家賃10ヶ月分をペナルティで払え」と言い、炎上がはじまった。
「成敗」といって悪人を斬り倒し、「決まった」とポーズをつけていたら、その悪人が起き上がってハリセンで後ろから頭を叩いてきたようなものである。
そして10日後の不動産がアレンジしたこの和解交渉で、今度はアリ地獄の賃貸の課長の岡田課長が2回目のチャブ台返しをやってくれ、再びパーにしてくれた。
岡田課長のチャブ台返しは、林田のときよりも激しくカズトを怒らせた。
カズトを不動産のシロートだと決めつけ、巧妙なワナを2つも仕掛けた。
林田の対応がかえって間抜けすぎて可愛いいくらいだ。
岡田課長の仕掛けてきたワナとはこうだ。
カズトはこの席で品川の手取りが9000円増え、登戸の手取りも4500円増えて
それで和解する予定であった。
面談は「アリ地獄タワー」の最上階の役員会議用の豪華な会議室で行われた。
東京の夜景が見事であり、きれいなお姉さんが立派な湯のみにお茶を入れてきた。
さすが両社長のキモ入りの面談である。
アリ地獄不動産の鈴木課長も同席した。
なにしろ不動産の社長が賃貸の社長室に乗り込んで、社長同士で収束を約束している案件である。
鈴木課長は不動産の社長から、サポートしてすべてを見届けるよう、勅命を受けていた。
お題目はわずか3点。
・賃料改定不承諾時10ヶ月ペナルティー請求の不当性
・『アリ地獄の賃貸』が他のオーナーにも15%を水増し請求しているか、などの経緯の説明
・品川の9000円値上げ
アリ地獄の賃貸も、社長の勅命をうけた岡田「課長」である。
鈴木課長は大丈夫だろうと楽観視していた。
1つ目・賃料改定不承諾時の、10ヶ月ペナルティー請求の不当性
これは”不動産の社長”も、カズトの主張が正しいと認めたことである。
両課長がそれぞれ法務部に再確認した。
そして契約書の文面が不完全であり、本来はカズトの指摘のようにするべきことも確認された。
【現在のサブリース契約書の条項】 ・第7条2項 賃料改定をオーナーが応じないときは、本契約を終了するものとする。 【カズトが提案した、契約書の本来あるべき文面】 ・第7条2項 賃料改定をオーナーが応じないときは、アリ地獄の賃貸またはオーナーのいずれかが解約を申し入れることができる。 もしオーナーが解約を申し入れる場合はオーナーの都合による解約とし、第11条2項に準じ手続きをする |
岡田課長と鈴木課長が同時に頭をさげて謝罪した。
カズトは自分の主張が通ったことに満足した。
次に2番目のお題目である。
2つ目・『アリ地獄の賃貸』が他のオーナーにも15%を水増し請求しているか、などの経緯の説明
ここから雲行きがおかしくなってきた。
カズトの想定を超えた、とんでもない回答がきた。
「『アリ地獄の賃貸』が会社として林田に指示したわけではなく、林田がなぜか突然思いついて勝手に実行した」
カズトはキョトンとした。
「はいっ?」
カズト:林田氏が保証家賃の減額3000円に成功して、例えば100部屋やれば、月30万円、年間で360万円の利益になる。そうすれば、林田が昇進するとか、ボーナスが上がるとか、とにかく林田がそうする理由があったのではないですか?
岡田課長:いえ、そういった事実はまったくないのです。
カズト:では今回の件で、何人のオーナーが保証家賃が減額されたのですか?
岡田課長:それが小倉カズト様に最初にやってみたが失敗したので、他のお客様にはご迷惑をかけてないのです。
カズト:ノーティスコート登戸は全部で30部屋ある。私が購入したのは407号。
オーナーのアイウエオ順でも、部屋番号順でも私が1番最初に選ばれた理由の説明としておかしいではないですか!?
しかも”アリ地獄の賃貸”の管理物件は千棟以上あるはずだ。その中から私の所有するノーティスコート登戸を1つだけ選択したこと自体が0.1%以下の確率なので不自然すぎる。
もし逆の立場だったら、あなたはこの説明で納得できますか?
もしマスコミに漏れてマスコミに説明したとき、これで納得すると思いますか?
いろいろとツッコンだが、とうとうまともな説明がなかった。
もう、いい。
春からの目標は、月13472円の赤字をプラス転換することだ。
今日の交渉で単月収支をプラス28円に黒字転換することが一番大事である。
カズト:もういい、最後のお題にいきましょう。
3つ目、品川の保証家賃9000円値上げの件はどうですか?
岡田課長が「3600円」との回答をしてきた。
カズト:それでは単月プラスにならない。
岡田課長は有料の不動産サイトから取得した品川駅徒歩3分以内で26㎡の全物件2年間の契約60件のリストを用意していた。
そしてリスト末尾の60件の平均が12万円の部分を指差して説明した。
岡田課長:ノーティスコート品川の家賃は116,000円で、平均は12万円。
この差額4000円からサブリース手数料10%を引いた3600円を増額したい。
カズトはリストに12万5千円の物件があることに気が付き指さした。
これはどういうことですか?
岡田課長:SRCと記載があります。鉄筋鉄骨コンクリートです。
ノーティスコートは鉄筋コンクリートのRCです。
12万5千円のSRC物件は鉄骨が入っていて建築費が高くなるので、家賃も高くなるのは妥当です、と。
これが1つ目のワナだった。このときカズトはこの説明がワナだと気が付かなかったが、SRCという回答をメモした。
しかしカズトは岡田課長の2番目のワナにはすぐに気が付いた。
60件の取引歴のうち、約30件は相場よりも家賃が安すぎるノーティスコート品川のものでだった。
カズト:近隣周辺相場というのは、ノーティスコート品川を除外すべきですよね?
もしノーティスコート品川の30件を除外したら、単純計算で残り30件の平均家賃は12万円4千円程度にハネ上がりますよね?
だったら12万円でなくて12万円4千円が近隣周辺相場ですよね!?
不動産のシロートだからと言って、ナメたマネをしないでいただきたい。
カズトは岡田課長をにらみつけた。岡田課長が答えに窮した。
あきらかに、岡田課長が押されている。
「林田がなぜか突然思いついて勝手にやった」などというバカげた回答で、カズトはイライラしていたが、とうとうこの平均家賃の罠でカズトが切れた
カズト:アリ地獄の賃貸は違法行為をしているのに、状況が分かってないのか?
岡田課長:違法かどうは、私が決めることではない
カズトはこの一言にとても腹が立った。
フザけるなぁ!
つい怒鳴っていた。
鈴木課長がビクッとしたかと思うと、目が丸くなって涙で光っていた。
岡田課長はフリーズしていた
「お前ら、サブリースが法的に整備されてないと思って、なめてんじゃない!
林田がやったことは、詐欺罪という犯罪だ!
岡田課長、確かにあんたが決めることじゃないよ。
もし、検察庁が告訴状を受理したら、その時点で刑事事件で違法認定だ。
弁護士に相談したら検察庁が告訴状を受理する確率は5分5分と言っている。
高畑裕太のこと知ってるよな?
詐欺罪の告訴状が受理されたら、もう戻れない。
お前にそこまでやる覚悟があるのか!?」
岡田課長は顔面から血の気が引いていた。
カズトは鈴木課長に言った。
「ごめん帰る。せっか社長が仲裁に入ってアレンジしてくれたのに、すまんね。社長に仲介のお礼と今日おさまらなかったお詫びを伝えといて」
カズトはアリ地獄タワーを後にした。
もし金融機関だったら、怒鳴った時点で警察を呼ばれて、カズトが脅迫罪で逮捕されてもおかしくないシチュエーションだった。
怒鳴れる不動産業界、大好き! ビバ、不動産業!!
→「2016年10月18日(火) 賃貸の課長が退場・カズト担当が取締役に交代」 に続く
→「投資マンション アリ地獄」メニューに戻る