2015年3月27日までに5部屋で計1億4千万円の購入契約をした

2014年11月6日(木)石川カナと会った。

彼女は不動産会社の社員で、カズトに何度も連絡した目的は「投資用ワンルームマンション」のセールスだった。

カズトはこのセールストークをすっかり信じた。
1.毎月生命保険料と同じ数千円の出費でワンルームマンションが持てます。
  万が一のときも家族に資産が残せます。
2.ローンの返済は、ほとんど家賃から返せます
3.サブリース契約が35年間保証なので空室でも家賃保証です。
4.ローンを返せば、一生涯、家賃収入を得ることができ、年金の代わりになります。
そして10日後にはマンションの購入契約書にサインしていた。
このあと、勧められるままに次々と購入した。
そして2015年3月27日までの半年間で5部屋を総額1億4千万円で購入した。
自己資金が1500万円、残りの1億2500万円はローンである。

賃料を全額ローン返済に回しても月の収支は約1万円の赤字だ。
さらに固定資産税を含めると年間60万円の赤字だった。
新築マンションは、税務署から固定資産税の請求書がくるまでは正確な税額が分からない。
そのため物件の固定資産税は「試算書」に記載されない。
だから、翌年に税務署の請求書を見てはじめて驚くことになる。

新築は相場よりも家賃を高く設定できるが、退去したら新築でなくなるので2人目の入居からは近所のマンションの相場の家賃になる。

不動産会社が用意する収支シミュレーション表は、最も高い新築家賃を使用し、支払は物件の固定資産税が無い状態で印刷されている。
だからシミュレーション表は、実際にはありえないオトギ話と思ったほうがいい。

カズトは契約後2年が経過するまで、赤字が毎年拡大するということを全く分かってなかった。

「銀行が融資するから大丈夫だろう」という強い思い込みがあった。

家賃の下落率を相場の年間1%から1.5%と仮定して10年後に倍増する修繕費を含めると、60才定年退職時には、年間収支が数百万円の赤字になる。

そうなれば貯金を食い潰して生活を続け、最後は自己破産して、家族から一生恨まれることになる。
ところが、もし首を吊ったら、生命保険でローンを返済でき家族には遺産として5部屋の資産が残り、毎月40万円もの家賃が入る。

生き続けて恨まれるか、60才くらいで首を吊って家族に感謝されるか!?、
その究極の選択の人生最大のピンチとなった!

→「2016年 サブリース5物件の発狂と絶望の収支」に続く

以下、参考
シノケンが『被害続出、アパート経営の「甘い罠」』というサイトを用意していて、甘い罠1から4までを掲載している。
https://www.shinoken.com/amaiwanalp/
これを知っておくだけでもかなり被害を防げる

またSPAにこんな記事があった(週間SPA2018年2月13・20日合併号)
カズトよりもムゴい例であった。
新築ワンルーム投資で自己破産寸前まで転落★
この記事の作者が出版した書籍がある。カズトが体験したようなことが書かれていた。

→「2016年 サブリース5物件の発狂と絶望の収支」に続く
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